最近話題のAIIB(アジアインフラ投資銀行)って本当に必要?国際開発銀行について調べてみた

Bank-icon
中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)創設が話題になっていますが、どういった国際開発銀行が存在するのかや役割について調べてみました






まず、そもそもAIIB(アジアインフラ投資銀行)とは、

中華人民共和国が提唱し主導する形で設立を目指している、アジア向けの国際開発金融機関。
2015年の業務開始を予定している。
日米が主導するアジア開発銀行(ADB)では賄いきれない増大するアジアにおけるインフラ整備のための資金ニーズに、代替・補完的に応えるということを目的として、中国が設立を提唱した。
当初は東アジア、東南アジア以外の国の参加はないと観測されていたが、実際には創設メンバーとなるための期限である2015年3月31日までに、イギリス、ドイツ、フランス等ヨーロッパの主要国を含む5大陸51の国と地域が参加を表明した。

・引用:Wikipedia:アジアインフラ投資銀行

と、最終的には日米以外のヨーロッパ先進国を含め多数の国が参加を表明しました。
また、貧困削減は世界銀行の役割だとして、日米主導のADB(アジア開発銀行)の代替・補完的な機関としての役割を目的としているようです。

つぎに、現在活動している国際開発銀行(国際開発金融機関)について、

・世界銀行
・アフリカ開発銀行 (AfDB)
・アジア開発銀行 (ADB)
・欧州復興開発銀行 (EBRD)
・米州開発銀行グループ (IADB)

・引用:Wikipedia:国際開発金融機関

と、グローバル・各地域での支援活動を行っている機関が複数存在します。

各機関については、以下のとおり。

1.世界銀行

各国の中央政府または同政府から債務保証を受けた機関に対し融資を行う国際機関。
本部はアメリカ合衆国ワシントンD.C.。加盟国は184ヶ国。
世界銀行は第二次世界大戦後の先進国の復興と発展途上国の開発を目的として、主に社会インフラ建設など開発プロジェクトごとに長期資金の供給を行う機関とされ、両者は相互に補完しあうよう設立された。
世界銀行には各国が出資金を払い込んでいるが、実際には世界銀行は開発資金のほとんどすべてを金融市場にて世界銀行債を発行することで調達している。

・引用:Wikipedia:世界銀行

当初の戦後復興から貧困削減へと目的の変化はありましたが、国連の組織としてグローバルに活動している機関です。
世界銀行債(世銀債)は、証券会社や銀行で直接販売されていたり、投資信託のファンドでも取り扱われていたりもするため、比較的知っている方も多いでのはと思います。

2.アフリカ開発銀行 (AfDB)

アフリカで多くの国が独立した1964年にアフリカの経済開発促進を目的に発足した融資機関で、各国の債務危機の救済と運輸・通信・衛生・教育・経済・社会インフラの整備も行う。
アフリカ経済委員会の斡旋で発足し、1966年に業務を開始した。
加盟国はアフリカの全独立国と日米独などの域外国24カ国で構成。

・引用:Wikipedia:アフリカ開発銀行

アフリカ内の経済開発促進を目的とした機関ですが、ナイジェリア(8.9%)・アメリカ合衆国(6.5%)に次いで日本(5.5%)も出資しています。

3.アジア開発銀行 (ADB)

アジア・太平洋における経済成長及び経済協力を助長し、開発途上加盟国の経済発展に貢献することを目的に設立された国際開発金融機関である。
本部はフィリピン共和国・マニラ。
ESCAP(アジア太平洋経済社会委員会)の発案により、1966年に発足した。
現在67か国/地域で構成される。
最大の出資国は日本と米国(ともに出資比率15.7%を占める)である。

・引用:Wikipedia:アジア開発銀行

AIIBと対比される日米主導の開発機関で、約50年近く活動しています。
アジア・太平洋地域は世界の貧困人口の三分の二を抱える地域であり、一日2USドル以下で暮らす貧困人口は19億人にのぼることから、従来の開発援助の運営方針と貧困削減を最重要目標して活動しています。

4.欧州復興開発銀行 (EBRD)

1989年の東欧革命で体制が交代した中東欧諸国や独立国家共同体 (CIS) 諸国の自由市場経済への移行にあたり、個人や企業を財政的に支援することを使命とする国際開発金融機関。
1991年4月1日にロンドンで発足した。
欧州復興開発銀行の目的は、旧共産圏である中東欧諸国の経済体制転換を促進することである。
また民間の経済活動による自由市場経済の発展を支援することも同時に目的となっている。

・引用:Wikipedia:欧州復興開発銀行

旧ソ連と繋がりのあった国への支援を目的としているのは他の開発銀行と同じですが、個人や企業単位での民間に対しての直接支援という点では違った特徴では無いかと思います。

5.米州開発銀行グループ (IADB)

中南米・カリブ海諸国の経済開発を促進するため、1959年に米州機構会議で設立が決定した多国間開発金融機関。
1960年に開業し、2015年現在の加盟国は48カ国である。
ワシントンD.C.に本部を置く。

・引用:Wikipedia:米州開発銀行グループ

アメリカ主導のアメリカ地域の経済開発の促進を目的とした機関です。

このようにしてみた場合、国連の機関である世界銀行と重複している部分もありますが、各地域での協力体制があることは決して悪いことではないかと思います。
ただ、本来の目的を逸脱し主導権争いのようになっている昨今の状況(報道の仕方にもよるかもしれませんが)は、必要性に疑問を持ってしまいます。
債権国・債務国双方の思惑はあるでしょうが、本来の目的を前提とした国際関係を築いていくことを望みます。






コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です