世界銀行無くして日本の戦後復興は無かった!?世銀債について調べてみた

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前回の記事で調べている時に興味深い内容だったので、備忘録として。






今回は世界銀行の具体的な活動内容や日本との関わりを調べてみました。
・引用:WorldBank:日本が世界銀行から貸出を受けた31プロジェクトとは?

1.世界銀行とは

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前回の記事でもふれていますが、国連の機関であり現在180ヶ国以上が加盟しています。
世界最大規模の債券発行団体であり、世界中の投資家から集めた資金を元に、開発途上国への資金貸出や技術提供を行っています。

2.世界銀行と日本

日本は戦後復興を図るため、1952年に世界銀行に加盟し、1953〜1966年までの間に31のプロジェクトに対して貸出を受けました。
その中には、東海道新幹線や東名高速道路・首都高速道路など、現在の生活に大きく関わるような重要なプロジェクトも含まれています。

1.1953/10/15:関西電力 多奈川火力発電
2.1953/10/15:九州電力 苅田火力発電
3.1953/10/15:中部電力 四日市火力発電
4.1955/10/25:八幡製鉄
5.1956/02/21:日本鋼管、トヨタ自動車 挙母工場 、石川島重工 東京工場 、三菱造船 長崎造船所
6.1956/12/19:川崎製鉄 千葉工場
7.1956/12/19:農地開発機械公団 上北根川地区開墾事業
8.1957/08/09:愛知用水公団 愛知用水公団 愛知用水事業
9.1958/01/29:川崎製鉄(2次)  千葉工場
10.1958/06/13:関西電力(2次) 黒部第四水力発電
11.1958/06/27:北陸電力 北陸電力 有峰水力発電
12.1958/07/11:住友金属 住友金属 和歌山工場
13.1958/08/18:神戸製鋼 神戸製鋼 灘浜工場
14.1958/09/10:中部電力(2次)  畑薙第一・第二水力発電
15.1958/09/10:日本鋼管(2次) 水江工場
16.1959/02/17:電源開発 御母衣発電所
17.1959/11/12:富士製鉄 広畑工場
18.1959/11/12:八幡製鉄(2次) 戸畑工場
19.1960/03/17:日本道路公団 高速道路(尼崎-栗東間)
20.1960/12/20:川崎製鉄(3次) 千葉工場
21.1960/12/20:住友金属(2次) 和歌山工場
22.1961/03/16:九州電力(2次) 新小倉火力発電
23.1961/05/02:日本国有鉄道 東海道新幹線
24.1961/11/29:日本道路公団(2次) 高速道路(一宮-栗東、尼崎-西宮間)
25.1963/09/27:日本道路公団(3次) 東名高速道路(東京-静岡間)
26.1964/04/22:日本道路公団(4次) 東名高速道路(豊川-小牧間)
27.1964/12/23:首都高速道路公団 高速道路(羽田-横浜間)
28.1965/01/13:電源開発 九頭竜川水系長野及び湯上発電
29.1965/05/26:日本道路公団(5次) 東名高速道路(静岡-豊川間)
30.1965/09/10:阪神高速道路公団 神戸市高速道路1号
31.1966/07/29:日本道路公団(6次) 東名高速道路(東京-静岡間)

・引用:WordBank:日本が世界銀行から貸出を受けた31のプロジェクト

また、貸出総額は8億6,300万米ドルにものぼり、最後の借入を完済したのは1990年です。

3.借入国から資金供与国へ

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1971年に最初のサムライ債(円建て債券)が発行されてから、以後40年の間に日本の投資家が購入した世銀債は約1500億米ドルに上りました。
世銀債は、発行体の格付けが高い(AAA)上に、債券の中でも比較的利率が高いため、魅力ある投資商品の一つとして買われ続けられてきたと思われます。
また、世界銀行の事業目的が開発途上国への資金・技術支援であることから、SRI(社会的責任投資)性を重視する投資家をひきつけてきたものと思われます。

世界銀行が設立された当初は、第二次世界大戦後の先進国の復興と発展途上国の開発を目的としていましたが、現在では貧困対策や技術提供による生活水準向上といった人道支援活動が中心となっています。
さらに最近では、温暖化対策などの環境対策に融資するグリーン債も発行されており、SRI活動に興味ある方は世銀債に投資してみるのも良いかもしれません。

※上記内容は、世界銀行のWEBサイトに掲載されているビデオを参考にしました。
 参考にしたビデオは限定公開扱いになっているため、直接リンクはしませんでした。






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