各国のGDPに対する輸出入依存度

引用:統計局

一般的に輸出入依存度が低い国は「内需国」、輸出入依存度が高い国は「外需国」として、資産運用の参考資料のひとつになります。

 






以下の表は、各国の輸出入依存度(2009年度)を表しています。

国名 輸出依存度(%) 輸入依存度(%) 合計(%)
日本 11.4 10.8 22.2
アメリカ 7.4 11.3 18.7
ユーロ圏 14.4 14.0 28.4
中国 24.5 20.5 45.0
韓国 43.4 38.8 82.2
シンガポール 151.8 138.8 290.6

 

このようにまとめてみた場合、国によって大きな違いと特徴がでてきます。

例えば、シンガポールや香港(※経済としてみた場合)のように都市国家で海外金融を積極的に誘致している国は、「外需国」といえます。

また、中国や韓国のように成長率の高い新興国も、「外需国」といえます。

その逆に、日本やアメリカなど一国でのGDPが比較的に大きい先進国は、「内需国」といえます。

ただ、細かく見ていくといろいろな特徴がみえてきます。

 

(1)日本の場合

日本は、テレビや新聞などでは外需国であるような報道がされますが、意外と内需国であることが分かります。

それを象徴する例として、2008年のリーマン・ショック後の混乱や2011年8月のアメリカ国債デフォルト騒動の時は、日経平均株価は大きく下がりましたが、内需関連の株価は逆に上がるという現象が起こっており、銘柄によっては年初来高値を記録し続けたものも多くあります。

このように見た場合、実は日経平均株価は外需銘柄を中心に構成されているということも見えてきます。

ただ、これからの日本は少子高齢化で人口は減り続けますから、外需が国の発展を左右すると言えると思われます。

 

(2)中国の場合

中国は世界第2位のGDPを誇る経済的にも国土や人口も大きいな国ではありますが、意外と外需が半数近くを占める国であることが分かります。

そのため、中国の景気も世界経済に敏感に反応しているといえます。

実際に中国共産党も外需に依存している経済との認識をしているようで、昨年5カ年計画として内需の拡大が今後の課題であるとの声明を発表しています。

 

(3)韓国の場合

韓国は他の国々との大きな違いとして、輸出入依存度が高いことが挙げられます。

また、GDPの約2割はサムスングループで占めているという「外需なくして韓国なし」と言えるほどの外需に左右される国です。

実際にリーマン・ショック以前は、日本の製造業を脅かすほどの成長を見せていました。

ところが、リーマン・ショック後の世界的な景気減速と共に、急激なウォン安が進み物価の上昇が続いています。

また、長引く不況により賃金は下がっていくのに、物価は上昇するという「スタグフレーション」が起こっているのではとの指摘もあります。

さらに、世間ではアメリカやギリシャデフォルト危機を発端とする欧米の金融不安が注目されていますが、その前に韓国がデフォルトするのではという指摘もあります。

以上のことから、外需と内需のバランスがその国の経済に連動し、国の運営を左右するといえると思います。

 

参考資料:

〔兜町ウォッチャー〕上期は33業種のうち食料品など7業種が上昇、外需減退で内需株シフト顕著に

内需拡大が2015年までの最重要課題に=中国・新五カ年計画

三星、昨年の売上高259兆ウォン…韓国GDPの22%

物価ショック、解決策が見つからない韓国政府

韓国のデフォルトリスク…2年4カ月ぶり最高水準

 






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