赤字なのに株価5割上昇!?【4680】ラウンドワンの「セール・アンド・リースバック」を調べてみた

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前回の記事で紹介した【4680】ラウンドワンが、株価下落から一転して5割近く上昇したきっかけ?となった「セール・アンド・リースバック」について、調べてみました。






まず、「セール・アンド・リースバック」とは、リース会社が借り手企業から物件を買取り、それを借り手企業に貸すリース契約のことです。
※参考:Wikipedia「セール・アンド・リースバック

また、メリットとしては、以下のことが挙げられます。
※参考:三井住友トラスト・パナソニックファイナンス「セール&リースバック

  1. 物件をそのまま使用していながら、物件の売却により資金の確保が可能になる点。
  2. 物件の所有者でなくなるため、減価償却費の計算、固定資産税の申告・納付、動産総合保険料の支払等の物件管理事務がなくなる点。
  3. 月々一定額のリース料を負担のみで済むため、コストの平準化が図れる点。
  4. 通常、物件売却とリース契約の締結は同時に行われるため、期間を置くことなく従来通り継続使用が可能な点。

つぎに、ラウンドワンの直近の決算内容を調べてみました。
※参考:ラウンドワン「平成26年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

■平成26年3月期第2四半期の連結業績(平成25年4月1日~平成25年9月30日)

・売上高(前年比):41,871百万円(-3.2%
・営業利益(前年比):4,908百万円(-17.7%
・経常利益(前年比):3,612百万円(-5.2%
・四半期純利益:-10,740百万円

売上高・営業利益とも減少しており業績が芳しくないのは確かですが、それ以上に純利益が減少しています。
単純に考えれば物件売却することによって売却益を得られそうな気がしますが、決算短信に記載されていた内容を見ると違ったようです。

セール・アンド・リースバックにつきましては、順調に進んでおり、当社及び当社連結子会社の所有する固定資産について、売却の見込みが高まったため、売却予定価額と帳簿価額との差額を減損損失として特別損失に計上いたしました。

「えっ?損しても売らないといけない程、経営がヤバイの?・・・」となりそうですが、それは半分間違っていないようです↓
※参考:ラウンドワン「平成26年(2014年)3月期 第2四半期決算 現況と今後の展望(決算説明会資料)

ラウンドワン:長期経営計画

資料を見ると、2013年3月時点で900億円近くの有利子負債があり、「セール・アンド・リースバック」化もその有利子負債を減らす手段の一つと進められているようです。
「セール・アンド・リースバック」を活用することにより、早ければ2015年3月期、予定では2016年3月期の無借金経営化を目指した財政改革を行っているようです。

【4680】ラウンドワン株価1年チャート
【4680】ラウンドワン株価1年チャート






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