映画「ファイナル・ジャッジメント」のあらすじにある「とある一言」を真面目に?考えてみた

映画「ファイナル・ジャッジメント」ロゴ
ここ最近、某宗教団体が映画「ファイナル・ジャッジメント」の冊子をチラシとして配っているようですが、そのなかに記載されていた「とある一言」を真面目に?考えてみた。






今回の内容は、特定宗教団体や政治団体に対する批判や映画のレビューではないため、あしからず。

まず、映画「ファイナル・ジャッジメント」とは、

アジアの大国オウラン人民共和国の軍隊によって侵略され、占領下で言論の自由・信仰の自由を奪われた日本を、真実の平和と人類の未来を求めて取り戻す近未来予告映画
・引用:公式ホームページと冊子より

のようです。

で、そのあらすじの中に

オラウン国は、言論統制、上場企業の国有化、日本円の廃止を強行。・・・

と、あるのですが、この「日本円の廃止」は現在の世界情勢を見た場合に、とても非現実的であると思います。
あえて避けることでも無いとは思うので、「オウラン人民共和国=中華人民共和国」と置き換えて現実的に考えてみたいと思います。

そもそも、現在の「日本円」をワールドワイドで見た場合、

  1. 世界の3大基軸通貨(米ドル、ユーロ、英ポンド)に数えられること
  2. 日本の経済状況は決して良いわけではないのに、未だに円買い自国通貨売りの傾向にあること
  3. 過去、日銀の市場介入により多大なる影響を与えているケースがあること(2004年の日銀砲などが有名かと)

を考慮すると、決して無視できない状況にあると言えます。

次に、世界の通貨流通量を見た場合ですが、

※2010年時点。括弧内は現在のレートで換算
・アメリカ: 約12兆ドル(約960兆円)
・ユーロ:  約8.9兆ユーロ(約917兆円)
・日本: 約1,092兆円
・イギリス: 約2.6兆ポンド(約333兆円)
・中国: 約72.6兆元(約919兆円)

のように、非常に多い流通量です。

ここにある中国元の伸びは驚異的なのは事実です。
だからと言って、現在の中国元が日本円をカバーできるほどの流通量かというと違いますし、仮に日本円を廃止して中国元に置き換えて困るのは中国自身だと思われます。
例えば、東証1部上場企業全体の時価総額だけでも約242兆円あります。(引用:東証ホームページ
これをそのまま現在のレートで換算(1元=約12.66円)しても、約20兆元必要となります。
そんな大金を一気に市場に放出したら、中国元の価値が下がりインフレになるでしょう。
もし、インフレになれば中国国民の不満は一気に爆発するでしょうから、中国共産党の存続にかかる事態になるかも知れません。

また、別の角度から見た場合、

  1. 中国国民(特に富裕層)は、自国の製品より日本製品に信頼性を持っていること。さらには「日本国内で買った商品なら中国製でも信頼出来る」と風潮があること。
  2. 中国共産党が国民の不満をそらすために、「反日」を政治利用していること
  3. そもそも中国は、外需依存国であること。(参考:各国のGDPに対する輸出入依存度

から、現状のままの方が実は中国共産党にも都合がいいかも知れません。

このようにしてみた場合、「日本円の廃止」は時期尚早だと思われます。
しかし近い未来、中国元が世界の基軸通貨になる可能性は高いですし、日本をカバーするほどの経済力をつける可能性も否定できません。
また、歴史上戦争によりインフレは進むことはありましたが、それを「敵に勝つ」との大義名分の元に不満を押さえつけてきたことも事実です。
今はまだ笑って過ごせるでしょうが、近い将来現実になるかも知れません?・・・






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