震災追悼式への中国欠席、官房長官「極めて残念」

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・引用:日本経済新聞 震災追悼式への中国欠席、官房長官「極めて残念」
2013/3/12 10:11
菅義偉官房長官は12日の閣議後の記者会見で、東日本大震災の追悼式を巡り、中国の代表が「指名献花」に台湾が加わったことに反発して欠席したことについて「日本政府の説明を理解せず、欠席したことは極めて遺憾で残念だ」と述べた。






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岸田文雄外相によると、中国側は「台湾の扱いを理由として欠席する」と事前に日本側に連絡。
日本側は「震災の際に破格の支援を受けた台湾に相応の対応を行う必要がある。1972年の日中共同声明にある台湾に関する我が国の立場を変更するものではない」と説明したが理解を得られなかった。

このニュースを理解するためには、まず日中共同声明の中身を理解する必要があります。

※Wikipediaより一部抜粋

(1)日本国政府は、中華人民共和国政府(共産党政権)が中国の唯一の合法政府であることを承認する。
(2)中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。
   日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。

この共同声明の中で、中華人民共和国は台湾を領土として明確化していますが、日本はあくまで立場を理解するにとどめているため、当時の日本政府なりに台湾・中華人民共和国双方に配慮した内容だと思われます。
ちなみに、ポツダム宣言第八項は、

カイロ宣言の条項は履行されるべき。又日本国の主権は本州、北海道、九州及び四国ならびに吾等の決定する諸小島に限られなければならない。

となっており、「台湾は日本の領土ではないため、内政干渉もしません」との意味合いでも捉えることができるかと思います。

とは言え、これで事実上台湾とは断交の扱いになり、日本政府としても中国唯一の政府は中華人民共和国であると認めた形になりました。
ただ、この共同声明以降も台湾との交流は現在でも続いており、震災の際も台湾から多大な支援と多額の義援金が贈られたことは記憶に新しいかと思います。

今回の中華人民共和国政府の対応に対して、

「震災の際に破格の支援を受けた台湾に相応の対応を行う必要がある」
「台湾からの支援に日本政府が感謝の気持ちを伝えることを否定的にとらえたもので残念に思っている」
「ちょっと大人げないかなという感じがある」

と日本政府筋もコメントしており、純粋な感謝の意であるとの立場を示しています。






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