日本政府が購入を決定した人民元建て中国国債とウォン建て韓国国債の魅力を調べてみた

マネックス証券中国国債ロゴ
引用:ロイター
[マニラ 3日 ロイター] 日中韓財務相・中央銀行総裁会議が3日、フィリピンのマニラで行われ、日中韓が相互の国債購入を通じて金融市場の安定化に向けた協力を強化することで合意した。






と、いうことで、この機会に人民元建て中国国債とウォン建て韓国国債の魅力を調べてみました。
まず、人民元建て中国国債ですが、既にマネックス証券が取り扱いしていることから、こちらを参考にして見ることにしてみました。
引用:マネックス証券人民建て中国国債

・銘柄名:中華人民共和国2013年12月1日満期人民元建債券
・格付け:AA-(S&P)、Aa3(Moody’s)
・利率(税引前):年1.00%
・申込単位:額面500,000人民元単位
・利払日:年2回(6月1日、12月1日)

こちらの国債は2011年1月に募集があった既発行債券となるため、おそらく3年〜5年国債になるかと思われます。
当時の中国人民元レートが約12.56円/1元であることから、1単位あたり約630万円と決して安くない買い物になります。
また、S&P格付けは日本と同等(Moody’sはAa2)のためある程度の安全性があるように見られますが、中国共産党の1党独裁政治であることや「チャイナ・リスク」を考慮すると一概にはそうとは言えないように思えます。
さらに、人民元は固定相場制を維持している現状では為替差益も望みにくい現状があります。
人民元/円のチャート推移は以下のとおり↓
中国人民元/円推移チャート
引用:BRICs辞典
→ここまでドルの動きに綺麗に連動しているチャートも珍しい気がします・・・

次に、ウォン建て韓国国債ですが、こちらは国内に取り扱い業者が無いようなので以下の点をピックアップしてみました。

・格付け:A+(S&P)、A+(日本格付研究所)
・利率:3.80%(韓国10年国債利回り)

こんな商品どこかでみたことあるような・・・と思ったら、これのことでした↓
外貨建て個人向けマネックス債
引用:マネックス証券

・格付け:BBB(日本格付研究所)
・年利率(税引前):4.10%

「※個人の感想であり、実際の・・・」ということであれば、格付けが若干投機的な位置づけであること、利率が高めであることを考えると韓国国債とこのマネックス債は似ているイメージがあります。
ただ、注意すべき点としては、マネックス債の格付けは「マネックスグループ」の格付けであり、利率はオーストラリア豪ドルで運用している何かの利率で決定していると推測される点です。
当時のオーストラリア政策金利は、4.75%→4.25%でしたからおそらく短期債券などで運用しているものと思われます。
また、オーストラリア国債10年利回りも約3.5%と高めではありますが、その理由が政治や経済が不安定であることからではなく、鉱物資源などが豊富な資源国であるからです。
一方の韓国は、資源国というわけではないですが、インフレ率が4%ほどで推移していることから、新興国としての位置づけになるかと思われます。
そのため、韓国国債は「新興国によく見られるハイリスク・ハイリターン債券」としてみた方がいい気がします。

日本政府が購入することはほぼ決まったようなものですが、実際に購入するのが何年国債をいくらで、利率がどれくらいなのか?など今回の詳細内容が確定していないため難しいですが、個人レベルで見た場合は購入する魅力は感じられませんでいた。
ただ、今回の合意により「人民元建て中国国債」や「ウォン建て韓国国債」がより身近な存在になるでしょうから、その際は新たな魅力が出てくる・・・・かな。たぶん。






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